家の鍵の開け方/鍵紛失時のピッキングの方法や自分で試せるドアの開け方




家の鍵を紛失してしまったならば、鍵がなくても自分で開ける方法はないのでしょうか?
まずは落ち着いて鍵を探すところから始めましょう。
まだ探していないという方は鍵の紛失〜解決までの対処マニュアル〜へ
どうしても見つからない場合には、悪用しないという前提でこの記事をご覧になってください。
又、鍵の開け方や仕組みを理解した上で防犯対策に役立てていただければ幸いです。
是非参考にしてみてください。
お急ぎで鍵を開けたい場合は▼
鍵を開ける方法(専門の技術編)
ピッキング
ピックと呼ばれる専用の工具を鍵穴に差し込み、鍵穴内部の鍵の仕掛け(タンブラー)を手動で正しい位置に揃えて鍵を回して開ける手法です。
鍵穴が縦長形状で、比較的シンプルな構造のギザギザの鍵は開けることができます。
鍵によって鍵穴に内部のディスクタンブラーや、ピンタンブラーの数(鍵の溝の数)が違います。
溝の数が多いほど開ける難易度が高くなります。
家の玄関の鍵となると、古いタイプの鍵は開けれる事もありますが、最近の鍵は、構造が非常に複雑になっていますので、ピッキングでは開けれない場合が多いです。
開けることができる鍵 | 鍵穴が縦向きのギザギザ鍵 |
必要工具 | ピックセット |
鍵が壊れるリスク | ほとんどありません |
鍵屋に依頼する場合の料金 | 8,000円〜20,000円程度 |
バンピング
ピッキングと同様に、鍵穴から鍵を回して開ける手法ですが、専用の工具は必要とせず、同じ種類の鍵を挿し込みハンマーを使って振動をあたえて、内部のピンタンブラーを鍵が回る位置まで跳ね上げて鍵を回す手法です。
ディスクタンブラー錠には効果がなく、ピンタンブラー錠に有効です。

ただし、この方法は鍵が壊れる可能性があります。
開けることのできる鍵 | ピンタンブラー錠 |
必要工具 | 鍵穴に挿さる鍵・ハンマー |
鍵が壊れるリスク | あります |
鍵屋に依頼する場合の料金 | 8,000円〜20,000円程度 |
サムターン回し

サムターンと呼ばれるドア内側の鍵を開閉するつまみの部分を専用の工具で直接回して開ける手法です。
この場合ドアの内側に工具を侵入させることが必要です。
主な侵入ルートは
・ドアビュー
(玄関先から訪問者を確認する覗き穴のことです)
・ドアポスト
(郵便受けのことです)
・ドアの隙間
(ガードプレートがある場合は、サムターン回しが困難です)になります。
これらが無い場合はサムターン回しはできないです。(ドアに穴を開ければ可能)
サムターンの種類は様々で形状や、侵入ルートからの距離によって難易度が変わってきます。
例えば、防犯機能付きのスイッチサムターン

防犯カバーがついている場合は

鍵屋に依頼しても、作業員の技術によっては開けれない場合もあります。
開けることができる鍵 | 全種類(サムターンの形状による) |
必要工具 | ハウスオープナー |
鍵が壊れるリスク | ありません(ドアビューは外す際に壊れる可能性があります) |
鍵屋に依頼する場合の料金 | 15,000円〜30,000円程度(防犯機能付きサムターンの場合は料金は高くなります) |
破錠
鍵穴をドリル等で破壊して鍵を開ける方法です。
鍵の種類によって頑丈さ(ドリリング耐性)が変わります。
防犯性能の高い鍵は通常のドリルの刃では壊すことが困難なものもあります。
また、壊すポイントを間違えると、最悪ドアごと壊さないと開けれなくなる可能性があります。
鍵屋なら破錠した鍵もその場で交換することができます。
開けるのことのできる鍵 | 全種類 |
必要工具 | 電動ドリル・マイナスドライバー・交換用のシリンダー |
鍵が壊れるリスク | 確実に壊れます |
鍵屋に依頼する場合の料金 | 20,000円〜100,000円程度(鍵交換費用含む) |
カム送り(バイパス解錠)
カム送りとは鍵穴ではなく、シリンダーとドアの隙間などから、針金などで直接、錠本体のロック機構を動作して開ける方法です。
イメージ的には、車などで差金や棒を使って内部から直接鍵を開ける手法と同様の手段です。
車の鍵の詳しい開け方はこちらへ
ただ、現在の鍵は対策をされているので、この手法では開けることができません。対策以前の古い鍵の場合のみ有効な手段です。
開けることのできる鍵 | 古い鍵・引き違い戸の鍵 |
必要工具 | エアーインフレーター・適当な棒(ハンガーを加工した物でも代用可) |
鍵が壊れるリスク | ほとんどありません(ドアが歪む可能性はあります) |
鍵屋に依頼する場合の料金 | 8,000円〜15,000円程度 |
鍵を作成して開ける
鍵を鍵穴から復元してその場で作成して開ける方法です。
鍵穴から鍵の形を復元するのはかなり難しい作業になります。
車やバイクの鍵は復元が可能ですが、家の玄関の鍵はほとんどできません。
もし、鍵の写真があれば鍵を作成できるかもしれません。
他に鍵を持っている方がいて、離れた場所にいる場合などは、スマホで鍵の写真を送ってもらうのも、一つの手です。
開けることのできる鍵 | ギザギザ鍵(鍵の写真がある場合) |
必要工具 | キーマシーン(合鍵を削る機械です)、ブランクキー |
鍵が壊れるリスク | ありません |
業者に依頼する場合の料金 | 10,000円程度 |
鍵を開ける方法(技術は必要なし)
他の出入り口の鍵が開いていないか確認する
玄関の戸締りはしていても、窓や勝手口の鍵を閉め忘れているケースがあります。
思い込みや先入観から閉まってるものだと思いこんでいても、必ず全ての出入り口を確認しましょう。
戸締りは毎日の習慣で無意識にやっています。鍵を閉めたという記憶は習慣によって思い込んでいるだけかもしれません。
閉めたはずの鍵が開いていた!という事がよくあります。
窓の格子を外す
窓の鍵が開いている事が前提です。
窓に格子がついていて入れないのなら、ネジ山を探してみましょう。
格子によってはプラスドライバー1本で外せる場合があります。
はしごをかけて登る
二階の窓の鍵は開いているケースがよくあります。
はしごをかけて2階に登れさえすれば入れます。

二階まで登るはしごがない場合は?
お隣さんに協力してもらう
ベランダの窓の鍵が開いていることが前提です。
お隣さんと顔見知りであれば、部屋に入れてもらい、ベランダづたいに窓から入る事ができます。
ただ、全く面識がない場合や、早朝、深夜の時間帯などは気が引けますね。
窓の鍵を開ける※悪用厳禁
専用の工具は必要ないです。
窓の鍵はクレセント錠といって内側からしか開け閉めができない様になっています。
仕組み自体はシンプルで名前の通り三日月型の金具が引っかかり開かないというしくみ。
さてこれをどの様にして外側から開けれるでしょう?
パターン①
窓のタイプによっては隙間がある場合があるので隙間から適当な細い棒を差し込みクレセント錠を外す。
パターン②
外側から窓を上下に揺さぶり、その摩擦でクレセント錠を外す。
ただしこの方法は開く可能性があるというだけで可能性としては低いのであくまでも運が良ければぐらいで考えておいてください。
「ロック機構付きクレセント錠」
「鍵付きのクレセント錠」は、この方法は効果がありません。
鍵業者に依頼するなら慎重に選びましょう
鍵開けにかかる料金は依頼する鍵屋によって全然違います。
上記の料金はあくまでも目安です。
鍵開けにかかる料金は依頼する鍵屋によって全然違います。
大手の鍵屋さんは広告費用もかけていますので見つかりやすいですし、すぐ対応してくれる反面、その分料金は高くなってしまうと考えましょう。
明確な見積もりが必要な場合は▼
鍵の紛失の場合は火災保険が適用できる?
火災保険は、火災に関する補償と思われがちですが鍵のトラブルもその補償になりうる事もありますので、加入している保険の内容を確認しておきましょう。
家財保険などでも、かかった費用をまかなえる可能性があります。
紛失した家の鍵を悪用されない様に対処しておく
鍵を拾った人がどんな人かわかりません。
中には悪用しようと考える人も。
鍵を悪用するとなれば自宅に侵入される以外は考えられません。
それ以外は使い道がないでしょう。
住所が載った物と一緒に紛失したならば確実に自宅は特定されるということになります。
また、どこで紛失したのか分からないのであれば、仮に自宅の前で落としたや、鍵を刺しっぱなしという事も考えられるので、鍵を交換しておくのが良いでしょう。
詳しくは鍵交換へ
まとめ
✔️サムターン回しは、ほとんどの鍵を壊さずに開けることができるが、ドア内側に工具を入れるルートが必要。
✔️自分で鍵を破壊するのはおすすめしない。最悪ドアごと壊す羽目になる可能性がある
✔️誰かが鍵を持っているのであれば、鍵の写真を送ってもらって鍵を作成して開けられる可能性がある。
✔️窓なら自力で開けられる可能性がある
✔️鍵の種類、開ける手法によって料金は異なる
✔️加入している保険の内容を確認しておく
✔️鍵が見つからないのであれば、悪用されない様にしておく